【化学】大学受験のプロが今オススメしたい化学問題集4冊と問題集活用術

化学

市販の問題集を効果的に活用して志望校に合格しましょう。各問題集の特徴は以下のとおりです。自分の好みで選んでもよいのですが、先生に現在の実力を客観的に評価してもらい、アドバイスを聞くことも大切です。また、問題集の活用方法についても別に記してありますので、あわせて参考にしていただければと思います。

1 セミナー化学基礎・化学(第一学習社)

化学を初めて勉強する高校1年生から、受験で化学を使う受験生まで幅広いニーズに対応している問題集。各章の始めに簡潔なまとめがついており、知識の確認が行いやすい。教科書・資料集を読んでから、要点の確認用に使いましょう。

基本例題・発展例題では問題のすぐ下に考え方や標準的な解法が載っています。問題数が多く、基本・発展と難易度を分けて二部構成になっているため、初学者は基本問題から、化学に慣れている学生は発展問題を中心に解き進めると良いでしょう。

なお、別冊解答の計算問題の解説に単位がついておらず、わかりにくいのが唯一の難点です。計算問題でつまずいた場合は参考書や他の問題集の解説を読むとよいでしょう。

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2020年度用 セミナー化学基礎+化学

2 化学重要問題集(数研出版)

理系の受験生にとって定番の問題集。受験科目で化学を使う受験生は高校2年の夏休み頃から少しずつ手を付けましょう。

入試標準レベルのA問題と、やや発展的な内容のB問題の二部構成。セミナー化学を終えた人はA問題から取り組むとよいでしょう。化学に自信のある人はB問題からチャレンジしても構いません。問題数は多くないが良問が掲載されているので、この1冊を2周3周して実力を高めるのが良いでしょう。

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2020実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学

3 化学の新演習(三省堂)

化学が得意で、医学部などの最難関大学受験で化学を得点源にしたい受験生用。参考書「化学の新研究」(三省堂)とセットで活用しましょう。

大問番号の横の星の数で3段階にレベル分けされています。

難易度順になっていないので、大問番号1番から順番通りに進める必要はなく、好きな問題から始めて構いません。星2つ問題は解説を読んで理解してから2,3回繰り返し解きなおしましょう。星3つ問題は教科書には掲載されない初見問題が多いかと思いますが、実力の養成にもってこいです。実力がついてきたと感じたら、是非ともトライしてみましょう。解答・解説もわかりやすく、化学の本質が理解でき、大学入学後の化学へと思考をつなげることができる良い問題集です。

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理系大学受験 化学の新演習―化学基礎収録

4 入試過去問(赤本など)

志望大学の赤本は、受験学年の春には手元にあるとよいのですが、新しい年度のものが夏あたりから売り出されますのでそれを待っても構いません。

本棚にある志望校の赤本は、時々眺めるだけで日々のモチベーションを高めることができます。

夏〜初秋までは制限時間を気にせずに、大問単位で解いてもよいでしょう。秋以降は1年分を本試験の制限時間通りに解いて、本試験を疑似体験しておきましょう

志望校の過去問は第一志望であれば過去7年分以上、それ以外の受験予定校は過去3年分以上取り組んでおきたいところです。ただし、古い年度は出題傾向が違うことがあります。そのことを念頭に、過去問に取り組んでみましょう。

問題集活用方法

人によって得意分野と苦手分野があるため、必ずしも問題集は1冊に絞らなくてもよい。例えば、得意な理論化学は「化学の新演習」で応用問題・発展問題に挑戦し、経験値の低い有機化学は「セミナー化学」「化学重要問題集」「化学の新演習」をすべて使って多くの問題を経験し、苦手な無機化学は「セミナー化学」を使って基礎からの復習を徹底するというように、複数の問題集を同時に使うのもよいだろう。

ほとんどの問題集は理論化学・無機化学・有機化学の順に問題が掲載されているが、理論化学をすべて解いてからでないと、無機・有機分野に移れないわけではない。浪人生の場合は一通りの範囲を経験しているはずなので、毎日理論・無機・有機分野を1問ずつ同時に進めると、各分野の要点を忘れることなく効率良く学習を進められる。

どこから始めればよいかわからない場合は学校の先生や塾の担当講師、チューターの学生に聞いてみよう。

問題集の解法を丸写しして、できるような気になっただけ、ということがないように。「なぜ、この解法なのか?」と解法の根拠に注目しよう。

自分のレベルにあった問題集というのは、独力で進めた場合、5~6割が正解できる問題集である。9割正解できてしまう問題集は易しすぎて成長は得られない。2割ほどしか正解できない問題集は解いていてストレスになり、自信をなくしてしまう。解答の意味もわからずただ赤ペンでひたすら写すのみになるだろう。

解答は途中計算も含めて必ず解答まとめノートに書くように。間違えた問題を放置せず、関連分野を教科書・参考書で復習してから解きなおしてみよう。

解答を記したノートは自分の弱点が記された参考書でもある。捨てずにとっておいて、定期的に見直せる状態にしておこう。問題の解答ノートも要点まとめノートと同様にルーズリーフを使い、大問番号と小問番号も表記する。ルーズリーフを並べ替えると、全体がその問題集の通し番号順になるように工夫すると見直しやすい。例えば54番の問題の次には55番の問題の解答を書き、続けて102番の問題を解きたい場合は別のルーズリーフにまとめるようにしよう。見直しにくい、見直す気がおきない解説ノートにならないように。

学習はインプットとアウトプットの繰り返しである。問題演習によるアウトプットからインプットの方法を改善することも可能。問題を解いていて自分がまだ知らない内容が掲載されていたら、その内容と周辺の関連項目をまとめノートに追加して覚え、理解してから再び問題集に取り組もう。普段の要点まとめノート作りをルーズリーフで行い、かつ余白を多めにとっておくと、問題演習後の追加がやりやすい。

大問を一つ解いたらすぐに答え合わせをする。答え合わせを次の日など後回しにすると、間違えた問題で自分がどのように考えてこの解答を書いたのか思い出せなくなってしまう。

初見の分野では5分考えてわからなかったら解答を見てしまって構わないが、一度経験したことのある問題の類題演習では10分間は解答を見ないで試行錯誤してもらいたい。

大切なのは柔軟性。変なこだわりを捨て、学力を伸ばし、志望校に合格するために必要なことは何かを考えよう。

おまけ

英語の「study」は日本語で「勉強する(勉めて強いる)」と訳されているが、語源であるラテン語の「studious」とは本来、「夢中になる・熱中する」という意味を持つ。まわりからの強制ではなく自分自身の意志において、広い世界観を持って、問題集に夢中になろう。

精鋭プロ講師集団SAE(エスエーイー)の化学の授業では、生徒さん一人ひとりのレベルにあった問題集の活用方法と解説ノートの作り方を、さらに詳しく丁寧に説明します。仕上がるノートはフルカラー完全オーダーメイドの一点物、芸術の領域まで高められた1冊になります。将来自分の子供達に譲ることで一族の繁栄を約束します。


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