【医学部入試】医学部に合格するために必要な5つのこと(2019年版)

慈恵会医科大学の正門前 医学部入試
慈恵会医科大学の正門前

※以前の「医学部に合格するために必要な5つのこと」という記事と、大きな内容の変更はありません。一部、記事内容を改定およびアップデートし、最新版を掲載しています。

1 医学部合格に必要なレベルを把握する

言うまでもありませんが、国公立医学部はもちろんのこと、私立も含めて医学部入試はすべてハイレベルでの戦いになります。簡単な医学部は一つもありません。

ご父兄の皆様の多くが受験をされた20〜30年前とは大きく状況が異なります。

地方や新設の医学部を含めて、すべての医学部は合格することが大変に難しくなっています。

そのレベルについて具体的にご説明いたします。

まず、受験生の皆さんは、「ハイレベル」であることはよくご存知のはずです。もちろん、ご父兄の皆様も「ハイレベル」であることは重々ご承知のことでしょう。

しかし、「ハイレベル」だということはわかっていながらも、実際にはどの程度の学習が必要なのかということをわかりやすいイメージで把握する必要があります。漫然と学習を続け、不合格を続けてしまうわけにはいかないからです。

まずは客観的な数字を把握しましょう。

(1)必要な偏差値は、河合記述模試で65程度

河合塾が公表している数値によれば、「どこでもいいから医学部に入りたい」と考える場合、合格に必要な偏差値は平均して65程度です。

(参照サイト「河合塾 入試難易予想ランキング(2019年度)」 http://www.keinet.ne.jp/rank/ より一部を抜粋しています)

※私立医学部入試ランキング(東日本)

72.5 慶應

70.0 順天、慈恵、日本医科

67.5 東北医科薬科、自治医、昭和、東京医科、東邦、

65.0 岩手医科、国際医療福祉、東北医科薬科、杏林、帝京、東海、東京女子、日本、聖マリアンナ

62.5 獨協、埼玉医科、北里

どの大学であれ、入学するために必要な学力は相当にハイレベルです。

ご父兄の皆様の中には「新設だから、、、」や「昔は、○○大学に入るようなヤツは、、、」という感覚をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、もはやそんなことは言っていられなくなってきています。

(※笑い話としてよくお聞きする話です)

偏差値のランクを改めてご覧になっていただいて、いかがでしょうか?意外に感じられる大学もあるかもしれません。

しかし、62.5〜67.5の範囲の大学は偏差値だけではなく、出題傾向や出題形式によって実際の合格難易度が異なりますので、偏差値による序列をそのまま受け取ることはできません。あとは、それぞれの科目の出題形式やそれぞれの科目の難易度や出題傾向によって、採るべき作戦は変わってくるのが通例です。

(2)河合記述模試で65を取るということの具体的なイメージ

先ほどお伝えしました通り、細かいことはさておき、医学部に入学するためには65程度の偏差値が必要です

それでは、偏差値65とはどのくらいのことなのでしょうか。

(参照サイト「河合塾 入試難易予想ランキング(2019年度)」 http://www.keinet.ne.jp/rank/ より一部を抜粋しています)

※入試難易予想ランキング(理系)(一部抜粋)

72.5 東大(理科III類)、京大(医)

70.0 東京医科歯科(医)、千葉(医)、東北(医)、大阪(医)

67.5 東大(理科I類、理科II類)、北大(医)、名古屋(医)

65.0 慶應(理工(学問1, 2以外))、早稲田(基幹理工(学系2, 3)、先進理工(応用化学)、創造理工(建築など)、新潟(医)、富山(医)(その他、多くの国公立医学部)

62.5 慶應(理工(学問1, 2))、早稲田(創造理工(総合機械工など)、先進理工(応用物理など)、上智(理工(情報理工など))、東京理科

偏差値65.0を取るということのイメージは、上記の表からすると早慶を合格できるくらいのレベルということになります。

要するに、「かなり本気で取り組まなければなかなか合格できないレベル」です。付け焼刃の学習では太刀打ちできないレベルです。とにかく医学部に合格したいのであれば、レベル感として「早慶に合格するために行うような学習」をしなければなりません。単に暗記やテクニックに頼るような学習では、その手前のレベルで何年も足踏みをし続けることになりかねません。

医学部に合格するためには、相当な覚悟を持って本質から理解する学習を積み重ねることが必要です。

そして、次に問題になるのが「理科」の選択です。

(※一般的な学習の心構えをまとめましたので、参考にしていただければと思います)

 2 理科の科目選択で失敗しない

化学、生物、物理のうち、どの2つを選ぶのかは医学部受験において大変重要なことです

特に、新課程の影響を受けて科目選択はより難しくなりました。

(1)興味のある科目を選ぶ

これから受験まで勉強が続いていきますので、興味がある科目があればその科目を選びましょう。「できる・できない」ではなく、「面白そう・ためになりそう・もっと知りたい」と思える科目があるのであれば、その科目を選ぶべきです。最初に感じた興味や好奇心を支えにすることで最後まで学習を続けていくことができるでしょう。また、どうしても向いていないという見切り(科目変更)についても、その科目について興味を持って学習を始めていれば強度の高い学習を初期の段階から行っていたでしょうから、早い時期にその科目に対する「見切り」を行うことが可能です。したがって、まずは興味のある科目を選びましょう。

しかし、興味がある科目を学習の初期段階で2科目も選べるということは滅多にないことだと思います。もしかすると、1科目も興味がないということもあるかもしれません。

そこで必要なことが、理科の科目選択です。どの科目を取捨するのかは、医学部受験の合格にとって大変重要な問題です。

以下に、それぞれの科目の取捨についてポイントを挙げました。

(2)物理の取捨

数学的な考え方が強く求められる物理は、できるようになれば破壊力抜群の強力な武器になりますが、できないままでは役に立たないどころか足を引っ張ってしまいかねない諸刃の剣です。その意味で、物理の選択は特に慎重に行う必要があります。

もちろん、学習を進めてみなければ、武器になるのかどうかはわかりません。

しかし、ある程度の目安は存在します。それは、数学が好きかどうか、ということです(現時点で数学が得意でなくても構いません)。

物理はそれほど覚えることが多くない代わりに、物理現象に対する本質的な理解と数学的な思考力が要求されます。

ですから、数学が好きであれば、数学との相乗効果が見込めますし、科目としての面白さも十分に感じられることでしょう。

また、覚えれば点数になる他の科目と違って、学習の初期段階では成績がほとんど伸びないということは覚悟しておいてください。中途半端な状態では全く役に立ちません。ある程度の成果が出るまで、本質的な理解を我慢強く積み重ねていく必要があります。

逆に、数学が好きでないというのであれば、数学以外に大変な科目をもう1つ抱え込むことになります。学習開始後の成績の見込みもそれほど思わしくはないでしょう。

そこで、数学が好きではないのであれば、物理は外しておく方が良いだろうと思います。

覚えることが少ないからというい消極的な理由で選んでしまうと、きっと後悔することになるだろうと思います。

(3)生物の取捨

新課程になり大きく変化したのが生物です。今までのような「覚えておけば大丈夫」という勉強法では歯が立たなくなってきました。

※(物理を選ばないのであれば強制的に生物を選ぶしかないわけですが)覚えるだけで簡単だから生物を選ぶ、という考えではうまくいきません

新課程の生物は、考察する力が大きく求められています。もちろん、膨大な知識を暗記しなければなりませんが、その知識を有機的に体系づけ横断的な理解をすることまで求められているのです。こういった傾向は、例えば、分子生物学的な分野の比重が高まり重要度が増しているということにおいても、その一端を垣間見ることができます。

また、生物学習においては略語も多く出てきます。それがもともとどのような意味なのかということを、名称だけでなく現象として把握し、その背景も含めて深く理解することも求められます。

このような本質的で横断的な理解は、科学論文や実験データの読み取りといった考察問題を解く際に必要不可欠なものとなります。

そこで、生物の取捨の基準としては、(暗記が得意かどうかも問題になりますが、それは化学も同様ですのでそれを踏まえた上で)現代文や長めの活字が読み取れるかどうか、ということになるでしょう。生物の問題を解決するために必要とされるのは、数学的な力ではなくどちらかと言えば「現代文的な力」なのです。(ただし、生物の考察に必要な力である「論理」力は、本来数学的なものです。正しく推論するためには、現代文的な力も数学的な力も両方必要となります。)

ただし、現代文に自信がなくても、「生物の問題を解決する」というレベルのことであれば訓練次第でなんとかなります。したがって、現代文の力に自信がなくてもそれほど心配する必要はありません。

一方で、医学部合格に向けた武器としての破壊力を考えるのであれば、物理には及ばないかもしれません。しかし、合格ラインをキープできる安定感が生物にはあります。そのあたりをどう判断するのかによって、科目の選択が決まるでしょう。取捨の判断が難しい場合には、学校の先生や周囲の信頼できる人に相談してみてください。

(4)化学の取捨

化学については、選ばない理由はそれほどありません。求められる能力が、物理と生物の中間のような存在だからです。ですから、「生物と物理に興味があるのでその2科目を選ぶ」というケースを除いて、化学を学習することになるでしょう。

しかし、意外と化学が苦手だという受験生が多いのも事実です。化学は基本的には選択するものだという意識を持って、高校の早い段階から学習を進めておくと良いでしょう。

なお、医学部に入学してからも化学の知識や理解は必須です。生命現象をはじめとして医学に関する内容を理解する際には、大学入試で学習した知識が必要不可欠です(糖類、アミノ酸、たんぱく質、脂質、核酸、緩衝作用など)。特に、医学部の1年・2年次に必要とされる内容の基礎となります。もし生物・物理で入学した場合には入学決定後にすぐに取り組んでおくことをお勧めします。

3 スケジュール管理をうまく行う

特に私立医学部入試を考えているのであれば、スケジュール管理をしっかりと行いましょう。

具体的には、

一般的な他の受験生に比べて1ヶ月早めに準備をする

ことが重要です。

以下は2019年度の私立医学部入試のスケジュールです。(2月1日まで)

1/19,20 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26 1/24
センター

国際医療

愛知医科

岩手医科 女子医科 昭和 関西医科 埼玉医科
川崎医科
近畿
1/27 1/28 1/29 1/30 1/31 2/1 2/1

埼玉医科

川崎医科

北里

近畿

帝京

自治医科

金沢医科

日本医科

帝京

自治医科

聖マリ

藤田

帝京

東邦

兵庫医科

獨協医科

杏林

久留米

東北医薬

日大(N)

帝京
久留米
東北医科薬科

その他、主要なところでは東海(2/2, 3)、東京医科(2/3)、福岡(2/3)、順天堂(2/4)、慈恵(2/5)、日大(A)(2/8)、大阪医科(2/11)、慶應(2/19)などがありますが、上の表の通り、一般的には私立医学部入試の多くは1月中に行われます。

一方で、早稲田や慶應を目指す一般的な受験生は2月中旬に試験が行われます。また、国公立入試であれば、前期試験が2月25日(及び26日)に行われます。

このように、医学部入試のスケジュールは、同じくらいのレベルの他の大学のスケジュールに比べておよそ半月から1ヶ月早くピークを迎えます。したがって、医学部受験生は普通の受験生とはスケジュール的に早めの準備をしておく必要があります。

また、2019年入試では、1/27, 28, 29, 30 と複数大学の入試が重なり、ここでの取捨も合否に大きな影響を与えました。今年度のSAEの卒業生も、その恩恵を受けて合格した生徒がいます。2020年度のスケジュールはまだ確定していませんが、受験校については慎重に決めることもスケジュール管理の重要性の1つとして挙げておきたいと思います。

4 合格後のことを想像する

(1)合格後のことを想像することがどうして重要なのか

医学部入試は一般の大学入試と異なり、合格した段階でその後の学習内容はほぼ定まっています。

入学したあとは、専門的な内容を中心に学ぶことになりますし、その専門を変更することは基本的にできません。これは、歯学部や看護学部などにも当てはまります。

そこで、医学部に合格したあと、そして、社会に出たあとのことをしっかりと考えておくことが重要です。なぜなら、(1)自身にとっての将来のキャリア選択に直結するということももちろんあるのですが、(2)医学部に合格するという観点からも必要だからです。

それでは、どうして合格後のことを考えておくことが、合格するために必要となるのでしょうか?

それは、事前書面や面接、小論文(の一部)でそれが問われるからです。

大学(医学部)が合否を決めるときに、テストの点数だけでなく事前書面や面接、小論文などで受験生の考えを確かめる目的は以下の通りです。

(1) 医学という社会的責任を伴う学問を学ぶため、性格面で大きな問題のある学生を排除するため

(2) 入学段階でキャリアが決まってしまうので、その決断がホンモノなのかどうかを確認するため

(3) 医師国家試験を突破するために、そして医師となったあとも生涯にわたって、膨大な量の学習が必要となるため、継続した努力や準備ができるのかを確認するため

要するに、積極的に合格させる方向ではなく、不適合な受験生を排除する方向に大きく作用します

それほど時間がかかる作業ではありませんが、一度書面にしてみることをお勧めします。出来上がったら学校や塾・予備校の先生など家族以外の誰かに見せてアドバイスをもらうと良いでしょう。早めに作っておくことで、受験直前の時期にバタバタしないで済みます。

(2)合格後のイメージをどのように具体化しておくのか

繰り返しますが、合格後のイメージを持っておくことは大変重要です。

そして、合格後のイメージを具体的に持つことで、受験勉強を続けるモチベーションを確固たるものにしてくれる効果もあります。

そこで、夏くらいの段階から次のようなことを考えておきましょう。

  1.  医師とはどのような職業なのか
  2.  あなたはどのような医師になりたいのか(理由も含めて)
  3.  (第1志望、第2志望までで良いので)どうしてその大学に入学したいのか
  4.  自分の長所

この4つを早い段階から用意しておけば、あとでずいぶんと楽になります。

遅かれ早かれ必要なことですが、後回しにしてしまうと入試直前の時期に時間が取られてしまいますので、遅くとも秋にはアウトラインくらいは準備しておきましょう。

5 早めに挫折を味わっておく

特に医学生として訓練を積み、良医になろうとするのであれば、どこかで辛い思いをしなければならないでしょう。

医師という職業には、様々な素養が必要となります。決して頭が良いだけでは務まりません。ときには挫折を経験し、悔しい思いをしておくことも重要です。

医学部合格に必要なレベルは大変に高く、簡単なことではありません。しかし、早めに味わった挫折は合格に向けた大きな推進力となるだけでなく、皆さんを良医にさえしてくれるのです。

医学部合格は簡単なことではありません。受験生活は苦しいことばかりかもしれません。しかし、医学部に合格したいのであれば、その苦しみは合格に向けた大きな力になって返ってきます。

皆さんが医学部に合格し、良医として活躍される日が来ることを心から祈っています!


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