大学入試現代文の勉強法 要約をする(2)

3 文を固まりとして捉える力を養うために要約する。

皆さんは、一度読んだ現代文を読むだけで暗記できますか?
私は、無理です。一学年に数人、そういう異能の人がいるそうです。生徒さんで、一人、ジーニアス英和辞典を読むと、暗記できるという、ハードディスクのような頭脳を持った人を知っています。その人は現役で東大の文一に入りましたが、東大生でも珍しいタイプです。
もし、そういう素晴らしい力がなかったら、本文を読んで、大体の流れ(要約)を頭に入れて、その流れをもとに、設問(問一、問二…)を解く際に、部分的に読み返すしかありません。


    →→→→→→→→→(要約の流れを頭の中につくる)→→→→→
本文                                 要約
    ←←←←←←←←←(読み返す場所を発見する)←←←←←←←

たとえば、要約的に読み取った内容が、
「アメリカでは、日本とは違い、落とした金を拾って届けたらもらえる、遺失物拾得報奨金がない。アメリカ人は善悪の観念が明確で、善人が拾ったら全額を落とし主に返し、悪人が拾ったら届け出ないから、制度として機能しないからだ。欧米由来の法制度は多いが、日本独自の法制度もある。それを探して検討することは、日本人が何者であるかを教えてくれる。国際化社会だからこそ、漢文力を身につけて、文語文で書かれた明治期の思想家の苦闘の跡をたどることが、今必要とされている。」
というものだったとします。

選択肢イ が

アメリカのキリスト教由来の倫理は日本とは違って、理解が容易な一元的なものである。

というものであったら、アメリカの話がされている前半を読み返せばいいわけです。

選択肢ロ が

明治の思想家に比べて、現代の思想家の漢文力は、話にならないほど劣っている

だったら、後半を読んで検討したらいいとわかります。
そういうマップを作る力を養うべきです。
マップを作るためには、まずは、段落を一言でまとめる力がないといけません。


本文
「もともと地上には道はない。歩く人がいればそこが道となるのだ。」という魯迅の言葉は、今なお、われわれが忘れがちなだけに光を放っている。この世には、決まった道というようなものは実はない。道を決める人間がいるだけである。そして、道はいつの場合にも自分自身が独自に選び取るものなのである。日本の六十年代は高度成長とよばれる時代で一流大学から大企業へという幸せの方程式とやらが出来上がり、若い世代も古い世代も、人生の効率的マニュアル化を推し進めるようになった。だが、羅針盤を手にしても、針路を決める作業は他人任せにできないのである。

要約文
最近では忘れられがちだが、人生の方向性を決めるのは、個人の主体性しかないのだ。

このように、長ったらしい段落を一言でまとめることができたら、マッピングの能力が身についているといえます。
本文のそれぞれのパーツをこのように一言でまとめることができれば、何がどこに書いてあるかわかりますから、長ったらしい本文に紛らわしい選択肢が付いていても、困ることはありません。

4 要約のやり方

本当は、自分で悪戦苦闘してやり方を見つけるのが、ベストです。何ごとも汗をかけばかくほど体力が付きます。

マニュアルが流行っていますが、マニュアルとは、ズバリ、思考停止の手段です。

誰も考えるのが嫌ですから、ついマニュアルを探しますが、それでは思考能力が鍛えられません。

とはいっても、ヒントがあった方が親切でしょうから、いくつか作り方をお教えします。

「本文を3~5に分割して、分割したパーツ(正式にはプロットという。形式段落をいくつかまとめた内容的段落のこと。)を数行でまとめる。それを、重複する箇所を一本化するなどしてまとめる。」
右の方法は、大体の文に通用しますが、話題が行ったり戻ったりする文章(随筆に多い)の場合、工夫が必要です。

「結論を決める。その前提や根拠となるものを結論の前に足していく。」
この方法も大体の文章に通用します。細かい前提や根拠を逃しがちになるので、注意して、漏れがないか欲張って考える必要があります。どんな方法を使っても下書きは必要になりますが、この方法は下書きの回数が多くなりがちです。

「キーワードを数点決める。本文の内容を頭のなかでイメージし、それにそってキーワードが全部入るように、文章を作る。」
研究者・エディターなど、プロが使う方法。ぼくも、大体この方法を使います。難しいですね。失敗も多いですが。長所は、どんな文章にも通用することと、頭の中が、大学入試国語科的に覚醒して、実力が付きます。特にテキストを一度閉じて、思い出しながら書くと申し文がないトレーニングになります。これを何回かやると、現代文の理解力が別次元の素晴らしいものになります。
別次元といっても、さらに別次元があります。
学会の第一人者として高名な旧帝大のある大学院教授は、私の原稿用紙50枚の論文を、わずか10分で読み、「要するに…でしょう。」と、三行で見事に要約しました。素晴らしいですね。衝撃的でした。上には上がいます。最高を目指して頑張りましょう。

「倍くらいの長さのものを作って、縮める。」
一見、楽そうだが、縮める作業が結構困難です。無駄に本文を写すだけの時間が多くなるから、あまり薦めらません。

5 勉強の仕方

高校の国語の先生は、文学部国文科(日本文学科も基本は同じです)ご出身です。

高校の国語の先生でももちろん構いませんが、免許や専攻は要約力とは関係がありません。

出身大学や学部はどうでもいいですから、非常に実力のある人にみてもらってください。たとえば、法学部出身の人で、法曹(裁判官、検事、弁護士)を目指していた人は、とにかく、冗談じゃない…というほどの論述能力があります。

また、文系でしたら、大学院出身者は、500枚(二十万字)もの修士論文を書かされた人です。どんな分野の方でもお力はあります。
身近に、これはというお力がある方がいたら、指導者になっていただきましょう。
a 字数を200字程度(150~200、180~220など)として、何があっても厳守する。
b 指導者には、合格、失格の別だけ判定してもらう。失格したら何回でも書き直すようにする。自分で書かないと力はつかないので、添削は控えめにしていただく。
c 助詞の使い方などにおかしな点があったら指摘してもらう。
この三点がお願いする際のコツです。

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