大学入試小論文の勉強法(実践編) 課題文付き小論文の攻略法(前編)

1 出題意図を理解する

国立はもとより、私立のほとんどの文系学部、さらには、国立理系大学、上位の私立医大には、課題文付きの小論文が多く出題されます。
前提として、以下の、大学側の出題意図をよく理解するのが、攻略の出発点です。

(1) 一行ものの出題だと、日ごろ関心があるジャンルかそうでないかによって、不公平が生じる。

たとえば、「TPPと医療」というタイトルの場合、優秀な人であっても、数学ばかり解いていてTPPの知識がない人は、お手上げです。

一行を出すだけではなく、TPPについての資料を出せば、全く知識がない人でも、資料を読みながら考えていくことができます。

(2) 読解力を試せる

私立医大のような、国語の問題がないところでは、国語力を測るツールになっています。

また、慶応大学の文系なども同じです。選択問題はもちろん、記述の問題を出すよりは、小論文を出題したほうが、国語力を試すことができるという考えからでしょう。

この考えには、一理あります。英語の出題を英作文だけにするようなものだからです。

(3) 資料を読解して、それを解釈して意見を述べるコミュニケーション能力が試せる

資料というものは、紙に印刷された文章やグラフです。しかし、相手が生身の人間であっても同じことです。

インターネットの発達によって、「知識」を仕入れている人が増えました。

極端な人は、いわゆるネット右翼と呼ばれる人ですが、このような人は、コミュニケーション能力(感情のコミュニケーションではなく、相手が何を言いたいかを理解してかみ合う意見を述べる能力)が、ほとんどない人がいます。

「人権屋日教組が教育をおかしくした。」とはいうものの、「『人権屋』というなら、裁判官は『裁判屋』、警察官は『警察屋』ではないか。」「日教組の組織率は低下の一方をたどっていて、20%台であるのに、一向に教育は良くならない。おかしいではないか。」などという疑問には答えられません。

要するに、似た思想傾向を持つ仲間内でつるんでいて、思考停止しているだけです。

イ ンターネットの怖いところは、多くありますが、チャットをしても、いつでも相手をアクセス禁止に出来るところも大きな問題です。

自分にとって都合が悪い相手をブロックしているので、健全なコミュニケーション能力が育たないどころか、退化しています。

もちろん、それでは、大学生として話になりません。資料が言っていることを踏まえられるかに、出題者が興味を持つのは、当然です。

(4) 本文を理解していない答案を失格に出来るから、採点の手間が省ける

何ごとにも建前と本音がありますが、大学側の本音は、ここでしょうね。

(2)、(3)の出題趣旨に反するから、私も、厳しいようですが、失格にするべきだと思います。

読解力とコミュニケーション力をみるためのテストなのですから。

特に、第一問として、「本文の内容を要約せよ」第二問として、「意見を述べなさい」とある慶應大学文学部型、旧設医大に多い「内容をまとめてから、自分の考えを書け」という問題は、下手をすると要約部分だけを見て、バイバイ…ということになりかねません。大学にとっては、手間が省けてうれしいかもしれませんが、失格は受験生にとっては、即、不合格を意味します。

2 要約の不合格答案に見られる共通点

要約のミスは、意見論述では絶対に挽回できません。

詳しくは、皆さんの答案をみて、個々に欠点を指摘したいところですが、ここでは代表的な間違いを挙げたいと思います。

イ 結論が入っていないもの。

書いているうちに字数がきつくなるのはわかりますが、結論がないと、失格は確実です。

ロ 婉曲な表現の意味を取っていないもの。

  • 本文 
    ダウン症の子に対する出生前診断は、平等の原則を吹き飛ばすものと言えるのではないかと、いささかの戦慄とともに深く思いを致すのである。
  • × ダウン症の出生前診断について、平等原則に関連して、筆者は思っている。
  • △ ダウン症の出生前診断について、平等原則に関連して疑問を持っている。
  • ○ ダウン症の出生前診断は、平等原則に反している。

誰しも、文章が曖昧になる場合があります。断定したら間違えたら×になるという恐怖もあるでしょう。

しかし、(特に)結論部分でハッキリと意味を取っていないものは、要約の意味はありません。思い切って行きましょう。

ハ テーマが要約文から伝わってこないもの。

特に危険なのは「具体例をカットせよ」と書いてある、マニュアル本を真に受けることです。

たとえば、

  • 本文
    日本では、財政の悪化から行政コストの一層の低減が叫ばれ、一方では戦後の日本では、都市化・核家族化による人口の都市部と農村部の格差・流動化が起きているため、有事の対応が迅速かつ的確に行える仕組みを維持することが困難になってきた。ボランティアは上記の状況を改善する新たな相互扶助の仕組みとしても注目されている。

の要約として

  • △ 行政コストと人口格差や流動化のために、有事の対応を円滑に行えなくなった状況を改善する新たな仕組みがボランティアである。

とするなどです。

本文は明らかに、日本におけるボランティアの現状について述べています。

「日本」は、あってもなくてもいい具体例とは言えません。

是非、必要ですから、なかったら、減点を免れません。

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