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大学入試小論文の勉強法 大学入試小論文で合格答案を作るための重要な4つの考え方(前編)

今回は、医学系、文系などを問わない、小論文の重大な一般的な考え方について述べましょう。

以下は、大学の出題者と意見交換をし、しかも、試験当日に書いた答案と同じものを生徒に書いてもらい、どの答案を書いた人が受かったかという膨大なデータを解析した結果です。
ですから、筆者の個人的な意見ということではありません。客観性があることだと思ってください。

1 教育者の目ではなく学者の目からみて、面白いか面白くないかで判断されます。

ここは、多くの誤解があるところです。代表的な誤解を上げましょう。

イ 「道徳的にいいことを言わないといけない。」とは、全くの間違い。

たとえば、「理想の医師像」「医師を志望する動機」などという問題は、新制私立医大を中心に頻繁に出題されますが、

  • 「三分間診療と不要な検査で利益を上げ、銀座のホステスを愛人にしてフェラーリに乗って、面白おかしく暮らす医師になりたい。」

などという答案を書く人がいるでしょうか。周りの受験生が、みんなそういうふざけた答案を書くならば話は別ですが、なにしろ、受かるか落ちるかの瀬戸際です。どんなに生活態度が悪い受験生も「患者様の痛みが分かるように…」などというしおらしいことを書くに決まっています。作戦として、全く意味がある作戦ではありません。
人間性はいくらでも偽装できます。「三分間診療…」という答案を書いた人は、人間性に問題があるというよりも、偽装すらできない愚者だという評価が正しいでしょう。(もしかしたら正直者かもしれない…と思うのは、私だけでしょうか?)
知性は偽装できません。知的に高度なことを書けば評価されますが、そうではない答案は評価されないと考えてください。

ロ 「生意気なことをいってはいけない」も怪しい。

生意気とは、目下の者が、自分と対等あるいはそれ以上の態度でものをいうことに対する反感を指します。高校の場合、才能のある数学少年が数学の先生を負かすこともあるでしょう。だから、「生意気だ」と、嫉妬心に駆られた先生に足を引っ張られることもあるかもしれません。

ところが、受験生で教授と対等の実力がある人は、まず、数十年に一人出るか出ないかです。だから、「バカ」だの「死ね」だの、それこそ人間性を疑われるような書き方はいけませんが、淡々と定説的なことに反論するのは、アリです。

ハ そもそも、小論文のテーマには、答えがないことが多い。

いい例が、「脳死」です。「脳死」問題のポイントは、知性や感情など意識を司る大脳皮質が死んでいない状態を人間の死としてよいか…ということです。こういう説得力がある反対の論拠がありますから、橋本龍太郎内閣の際に、脳死を死とする国会決議が成立し、学会レベルでもガイドラインが整備された今も、未だに反対者がいるわけです。
もちろん、医師の中にもいます。したがって、反対意見が出てくるのは当然だと言えます。

 

先に述べたように、
小論文は、採点する教授を信頼して、内容があることを書くのが一番です。おべっかを使ったり、お世辞を述べたりする態度や姿勢は禁物です。
『白い巨塔』の読み過ぎは禁物です。
では、内容とは、どのようなことでしょうか。

2 小論文で書くべきことは、自分の意見である。

小論文という科目は、受験生のペーパーテストでは測れない、考えの深さを試すためのものです。仮に、知識があるかないかを知りたければ、日本史や政経のようなペーパーテストを課せばいいだけの話です。ですから、自分の意見を述べるために、知識がないといけませんが、知識だけでは点がとれません。

最近、ネタ本の発達により、事実関係を書く答案が目立ちます。

たとえば、

「現在の日本国内では、健康保険法により健康保険が適用された「保険診療」と保険適用前の「自由診療」の並行使用を原則禁止(混合医療の禁止)している。この法律によって、だれもが平等に必要な医療を受ける権利が守られており、価格も抑えられている。
また、健康保険法は医療の安全性を守る役割も担っており、新しい医療技術や医薬品は厳しい国の審査に合格しなければ健康保険の適用外とされる。では、どうしたらいいか。政府はTPPについて真剣に考えるべきである。」

これでは、サイトの丸写しです。誰もが言えることです。事実関係ですから、知識を暗記しているというだけです。肝心な自分の意見は、「政府はTPPについて真剣に考えるべきである。」だけですから、答案としての価値は、ゼロです

事実関係は、誰もが百も承知の前提ですが、それについてどう考えるのかが自分の意見です。

たとえば、

「平等な医療が崩壊すると、治安が悪化し、将来への不安から少子化が進行する。」

「金の切れ目が命の切れ目とは、憲法の生存権を否定した暴挙である」

「保険の掛け金を支払っているのだから、保険分の医療を受けられるのは当然の権利だ。その他に自費で医療を受ける権利は当然あるはずだ。合法という判決はあっても、混合医療禁止には、被保険者が納得出来るような大義名分がない。」

「今まで認可されるまで時間がかかった新薬が早く使える」

などと、賛否どちらでも構いませんから、その先のことを語るべきです。

3 自分の意見を書くために、事実関係についての記述を抑える。

上の文を考えてみましょう。内容は、教授がとっくに知っていることです。ですから、くどくどしい解説を止めて、
「現在の保険医療は、混合診療を禁止し、新薬の保険適用も慎重である。」
などとして、残りのスペースで自分の意見を述べるようにしてください。

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